ケストースはどうやって作られる?原料は砂糖、「3糖」はつながった糖の数のこと

朝の自然光が差し込む木のテーブルに、白い粉が入ったガラスの小鉢と木のスプーン、角砂糖、半分に切った玉ねぎ、アスパラガスが並んでいる

ケストースの商品説明には、「3糖で構成される最小単位のオリゴ糖」という言葉がよく出てきます。でも、「3糖」とは何が3つなのか、どうやって作られているのかは、あまり知られていません。

「原料は砂糖」と聞くと、「それなら砂糖と同じでは?」と思う方もいるかもしれません。実は、糖の粒のつながり方が違うため、体の中での消化のされ方が違う、と論文では説明されています。

この記事で分かることは、次の3つです。

  • 「3糖」「最小単位のオリゴ糖」という言葉の意味
  • ケストースは何を原料に、どんな流れで作られるのか
  • 原料が砂糖なのに、砂糖とどこが違うのか

ケストースを研究している研究者の論文(日本栄養・食糧学会誌)や、大学の発表資料に書かれていることをもとにお話しします。

「3糖」とは、糖の粒が3つつながっていること

「3糖」とは、糖のいちばん小さな粒が3つつながった形のことです。

糖には、それ以上分けられない最小の粒があります。ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)がそうで、「単糖」と呼ばれます。この粒がいくつつながっているかで、糖の呼び方が変わります。

ビーズにたとえると分かりやすいです。

  • ビーズ1つ:ブドウ糖、果糖など(単糖)
  • ビーズ2つ:砂糖(ショ糖)。ブドウ糖と果糖が1つずつつながったもの(二糖)
  • ビーズ3つ:ケストース。砂糖に、果糖がもう1つつながったもの(3糖)

論文では、ケストースは「スクロースに1分子のフルクトースが結合した三糖のオリゴ糖」と説明されています。名古屋大学の発表資料にも、同じ構造の説明があります。スクロースとは砂糖の主成分、フルクトースとは果糖のことです。

ビーズの数で見る糖の違い。ブドウ糖・果糖はビーズ1つ、砂糖はブドウ糖と果糖の2つ、ケストースは砂糖に果糖がもう1つついた3つ、ニストースは4つ。ケストースはフラクトオリゴ糖のなかでいちばん短い、と示した図

オリゴ糖とは、糖の粒がいくつかつながったもの

「オリゴ」は「少し」という意味の言葉です。オリゴ糖は、糖の粒が少しだけ(いくつか)つながったものを指します。

オリゴ糖にはいろいろな種類があります。そのうち、砂糖に果糖がつながっていく形のものは「フラクトオリゴ糖」と呼ばれます。

「最小単位のオリゴ糖」とは、フラクトオリゴ糖のなかでいちばん短いこと

フラクトオリゴ糖には、つながっている粒の数が違う仲間があります。論文では、次のように整理されています。

名前 糖の粒の数
ケストース 3つ(3糖)
ニストース 4つ(4糖)
フラクトフラノシルニストース 5つ(5糖)

(門田ほか、日本栄養・食糧学会誌 2020 の図をもとに中屋商店で整理)

ケストースは、この仲間のなかでいちばん短いものです。「3糖で構成される最小単位のオリゴ糖」という言い方は、このことを指しています。

原料は砂糖。酵素の力で果糖を1つつなげる

ケストースは、砂糖(ショ糖)を原料に、酵素の力で作られます。

論文には、工業的には、砂糖に「β-フルクトフラノシダーゼ」という酵素を反応させて作る、と書かれています。名前は長いですが、働きはシンプルです。

酵素は「はさみ」と「のり」の役割

酵素とは、物質を切ったりつないだりする働きをもつ、たんぱく質の一種です。

この酵素は、砂糖から果糖を移して、別の砂糖につなげる働きをします。はさみで切って、のりで別の場所に貼るようなイメージです。2つつながりの砂糖に果糖が1つ貼りつくと、3つつながりのケストースができます。

論文によると、工業的に使われるこの酵素は、主にカビの仲間(糸状菌)から得られるもので、食品添加物の酵素としても認められています。

作り方の流れ

一例として、次のような流れが示されています。

  1. 砂糖の液に酵素を加える:酵素が果糖をつなぎかえて、ケストースができていく
  2. いろいろな糖が混ざった液ができる:ケストースのほかに、もとの砂糖や、もっと長くつながった糖も混ざる
  3. ケストースを分けて集める:混ざった液から、ケストースを多く含む部分を取り分ける
  4. 結晶にする:ケストースが多い液を濃縮して結晶にする

ここで紹介したのは、酵素で作る部分は論文に、分けて結晶にする部分は特許文献(他社が出願したもの)に書かれている一例です。中屋商店の商品の原料や製造工程を示すものではありません。細かい条件や工程は、作る会社によって違います。

砂糖と酵素からケストースができるまでの流れ。①砂糖の液に酵素を加える、②いろいろな糖が混ざった液ができる、③ケストースを分けて集める、④濃縮して結晶にする、の4段階(一例)を示した図

「長くなりすぎない」ようにするのが難しいところ

作り方でいちばん難しいのは、2つ目の段階です。

酵素は、できたケストースにも、さらに果糖をつなげてしまいます。すると、4つつながりのニストースや、5つつながりの糖ができます。論文では、これが工業的な製造の課題だと書かれています。

そのため、ケストースは多く作り、ニストースはあまり作らない酵素を探したり、改良したりする研究が続けられています。いちばん短い「3つつながり」でぴたりと止めるのは、意外と手間のかかることなのです。

原料は砂糖なのに、砂糖とどう違う?

砂糖とケストースの大きな違いは、体の中で消化されるかどうかです。

砂糖は、体の中で分解されて吸収されます。一方、ケストースは消化されにくい性質をもっています。論文では、ケストースは食べたあと消化されずに大腸のほうまで運ばれ、腸内細菌に選んで利用される、と説明されています。

砂糖とケストースの体の中での違い。砂糖は体の中で分解されて吸収される。ケストースは消化されにくく、大腸まで届いて腸内細菌に利用される、と比べた図

腸内細菌に選んで利用される成分は「プレバイオティクス」と呼ばれます。かんたんに言えば、腸にすむ菌のエサになる成分のことです。ケストースは、このプレバイオティクスとなり得る条件を備えている、と論文には書かれています。

もともと野菜にも含まれている

ケストースは、工場で初めて生まれた成分ではありません。

タマネギやライ麦、アスパラガスなど、ふだん食べている野菜や穀物にも、少しずつ含まれています(門田ほか 2020、名古屋大学の発表資料)。ただ、含まれる量は少ないとされています。食品の素材としては、砂糖を原料に酵素で作る方法が使われています(門田ほか 2020)。

使いやすい性質

論文では、ケストースの性質として、次のような点が挙げられています。

  • 砂糖に似た甘みがある
  • 吸湿性が低い(湿気を吸いにくい)
  • 耐熱性が高い(熱に強い)

こうした性質から、食品に加工するときに扱いやすい素材だとされています。

よくある疑問

Q. 砂糖から作られていると聞きましたが、砂糖と同じものですか?

原料は砂糖ですが、糖の粒のつながり方が違う、別の成分です。砂糖と同じものではありません。食事について医師から指示を受けている方や、糖質のとり方に制限のある方は、取り入れる前に主治医にご相談ください。

Q. 「ケストース100%」とは、どういう意味ですか?

中屋商店のケストースは、ケストースを100%配合した商品です。原材料の表示などの詳しい内容は、商品ページをご確認ください。

Q. たくさんとっても大丈夫ですか?

中屋商店のケストースは、1日1包(3g)を目安にお使いください。体質によってはお腹がゆるくなることがありますので、様子を見ながらお使いください。

まとめ

この記事の要点は、次の3つです。

  • 「3糖」は、糖の粒が3つつながっていること。ケストースは、砂糖(ブドウ糖+果糖)に果糖がもう1つつながった形で、フラクトオリゴ糖のなかでいちばん短い「最小単位のオリゴ糖」です
  • 原料は砂糖で、酵素の力で果糖を1つつなげて作られます(論文・特許に示された一例)。長くなりすぎないように作るのが難しく、酵素の研究が続けられています
  • 砂糖とは消化のされ方が違います。ケストースは消化されにくく、大腸まで届いて腸内細菌に利用される、と説明されています

今日からできることは、ふだん使っている甘味料や食品の原材料表示を見て、「オリゴ糖」がどんな種類のものか確かめてみることです。名前の違いが分かると、選ぶときの手がかりになります。

関連する記事も、あわせてご覧ください。

毎日の食生活に、ケストースを取り入れてみませんか

朝の食卓で、ブルーベリーをのせたヨーグルトの器に、木のスプーンで白い粉をひとさじ加えている手元

ここまでの内容は、ケストースという成分についての一般的な情報や研究の紹介です。中屋商店の商品の効果を示すものではありません。

中屋商店のケストースは、3糖で構成される最小単位のオリゴ糖「ケストース」を100%配合しています。3g×30包入りで、1日1包を目安に、ヨーグルトや飲み物に加えてお使いいただけます。ほのかな甘みがあります。体質によっては、お腹がゆるくなることがあります。善玉菌のエサになるオリゴ糖を、毎日の食生活で意識するきっかけの1つとして、よろしければご覧ください。

価格などの詳細は、商品ページをご確認ください。

参考にした情報

  • 門田吉弘・北浦靖之・遠藤明仁・栃尾巧「ケストースが持つ多様な生理機能の解明と実用化に向けた取り組み」日本栄養・食糧学会誌 73巻4号 123-131(2020)。著者には企業の研究開発部門の所属者が含まれ、一部の著者は同社から研究費を受けています https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/73/4/73_123/_pdf
  • 名古屋大学 研究成果の発表資料(2017年1月4日)。本記事では用語説明の部分のみ参照しています https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20170104_agr.pdf
  • 米国特許 US6479657B1「Crystalline 1-kestose and process for preparing the same」(他社の特許。分離・結晶化の工程の一例として参照) https://patents.google.com/patent/US6479657

この記事は、食生活に関する一般的な情報をお伝えするものです。病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安がある方、持病のある方、症状が続く方は、医師にご相談ください。

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